船舶免許を取得して20年近くなる。最初のボートを購入してからも20年経つ。しかし、ボートの操縦の仕方は、ボート教室が熱心に教えてくれたが、ボートを使っての魚釣りは、指導されたことが無い。近海の漁礁の位置とか、釣禁止域とかのマップをもらい、後は自分で実践してくださいといった状態だ。
ボート免許について知りたい方は ⇒ こちら
漁師の息子とか、漁師見習い中の人とかであれば、親、先輩の指導が期待できるので、ボート免許を取れば十分だが、私のように、漁師から指導を期待できないばかりか、海からは遠いところに住み、平日は釣りとは無関係の仕事をし、土日しか海に行けない身分にとって、とてもボート免許を取得しただけでは魚釣りが上手くできるとは思えない。
しかし、あれから約20年経ち、何とかボート釣りは出来るようになった。それでも、ボートで釣りを楽しんだのち、アンカーを揚げようとすると、岩盤に引っ掛かって抜錨できないことがあり、止む無くアンカーロープを途中で切って、アンカーを海底に残したまま帰ることが数回あった。その度にアンカーを購入していた。このようにボート釣りは、魚が釣れてもアンカーを揚げるまでは作業は終わっておらず、釣りをしている間中、常に不安であった。ボート釣りとはこんなもので、危険と隣り合わせだと思っていた。だから思い切って遠方の釣場へ行くといった冒険が出来ないでした。
アンカーの種類について ⇒ アンカーの種類
ところが、昨年以来、マリントピアマリーナの元課長のYDさん(仮称)に釣りのインストラクターを依頼しているが、そのYDさんは大層理に叶ったアンカーリングを実践されている。その方法を実践すると、殆ど、アンカーが岩盤に引っ掛かるといった事故を避ける事が出来る。
YD氏から教わったアンカーリング方法を以下に解説する。
アンカーを降ろして釣りをするときは、図1に示すように、アンカーロープを水深の2倍程度出している。この状態で釣りを終えて揚錨する場合、図1のままの状態でアンカーロープを巻くと、錨が海底に喰い込むことになり、揚錨は出来ない。

(図1)
揚錨する際には、ボートと錨は図2のように、錨の真上にボートが位置するように操作しなければいけない。この状態で揚錨すると、楽に錨は海底から脱出し、回収できる。理由は、投錨時に錨が落ちて来た方向に引き上げるので、引っ掛かりは最も可能性として少ないのである。
しかし、実際に釣りをする場合の水深は60m~100mと水深があるので、ボートが錨の真上に位置するかどうかをロープの落ち込み方向を見て確かめるのでは、極めてアバウトにしか分からない。極端な話、錨の真上から10mや20m程離れていても、真上と判断してしまうことがある。そのため、勘に頼っての揚錨作業は、錨が海底に喰い込むことを避ける事が出来ない。つまり、勘に頼っての作業は、幸運に期待するだけであり、危険である。
そこで、魚探を利用するのである。魚探には、位置記録機能、航路追跡機能というのがある(名前は異なるかも知れない)。アンカーを降ろす時は、位置記録機能をオンして、アンカーの投入場所を記憶させる。その後、航路追跡機能をオンして、アンカーを降ろしてからのボートの移動軌跡を記録するのである。
魚探についての説明は ⇒ こちら

(図2)
図3のGPS画面で説明すると、PT00004の位置でアンカーの投入を開始したとすると、その位置を記録する。そして、航路追跡機能をオンしておく。
すると、ボートは風におされて、アンカー投入位置から自由に移動する。追跡機能をオンしているので、移動軌跡は図3の赤い実線で示すように描かれる。
目的のポイントに達すると、ウインチを切り、ボートを停止させる。こうして、釣を開始する。なお、魚探はオフしても記録した位置、軌跡は消えない。

(図3)
釣りを終え、揚錨作業にかかる場合は、魚探を見て、ボートの現在位置と投錨開始位置とを確認し、ボートを走らせて、投錨開始位置まで移動する(できるだけ、画面の拡大率を大きくした状態で、ボートをGPS画面上の投錨開始位置に一致させる)。移動の間、アンカーロープはあまりテンションを掛けない程度に巻いて行く。投錨開始位置にボートが達すると、ボートを静止して、アンカーロープを巻く。
ボートは投錨開始位置にあるので、実際の海底での錨の位置よりも少し潮上にボートが配置することとなり、アンカーロープを巻くと、楽に海底からアンカーを脱出させる事が出来る。
このテクニックが実践できるようになると、揚錨を偶然に期待して行ってきたことが如何に無謀であったかと驚いてしまう。そして、このテクニックを取得すると、これまで行ったことのない新天地を求めて釣りを楽しむ事が出来る。釣りのバリエーションを大幅に広げる事が出来る。
次は、何時の日になるか約束できないが、YDさんから学んだ魚探を利用したボートの位置決め方法を書いてみる。お楽しみに。
