先日来、紅麴サプリメントを飲用していた人が死亡したという事件が発生している。死亡者は現在5人だったと思う。

また、重軽症の患者が600余名いるとのことだ。

これは薬害として重大な事件ではある。マスコミは、製薬メーカーに対して情報公開が遅いと非難している。

でも、チョット待てである。死亡者の死亡原因が本当に紅麹サプリメントなのか?重軽傷者の症状の原因についてもしかりである。

現在のところは、幾つかの病院で患者を診察したところ、患者が紅麹サプリメントを服用していた事実が分かっただけで、そのサプリメントが死亡原因、症状を引き起こす原因とは特定されていない。

大体、薬害の場合、症状と原因の因果関係を調べるには、動物実験を繰り返し、相当の因果関係があると認められなければならない。結論が出るには、何年かかかる話である。

今の段階では、単に病院からの通報により紅麹サプリメント(に含まれるプベルル酸)が原因ではないかと考えられているだけである。医学的な精密検査、実験を行って結論を出したのではない。動物実験も行ってもいないのである。

だから、今言えることは、紅麹サプリメントが死亡原因かもわからないが、そうでない他の薬品が原因しているかも分からないということである。或いは全く別の食品かもわからないし、飲食物でないかも分からない。

その程度の不確かな段階なのであるにも拘らず、マスコミは公開が遅いと言って非難している。何を公開して欲しいのか?サプリメントが危ないかもしれないことを公開すべきと言っているのだろうか?

しかし、製薬メーカー側では、今の段階では原因の特定が不十分なので、もっと精度を高めて原因が紅麹サプリメントにあるとの蓋然性が高い段階で公開すべきと判断したのだと思う。私は、この判断が正しいと思う。確度の不十分な情報を公開して、世間を迷わすような事態はかえってマイナスである。

ところで、マスコミに対して、製薬会社側は、社長が謝罪するところまで来ている。謝罪と言っても、非を認めたわけではなく、マスコミの言うように対応できていないことの謝罪である。引き起こした事件に対する直接的な謝罪ではない。私はこの対応は評価したい。これでマスコミも激しい追及をしなくなった。今後、原因追及に全力を投入できる。

今回の薬害事件を見ていて、マスコミの上記した対応には憤りを覚えたので、少々感想を述べてみた。

 

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