「AI時代の新・地政学」と言う書籍を読んでいる。新潮新書から先月の9月20日に出版された。著者は「宮家邦彦」氏である。

宮家邦彦 氏のプロフィールは ⇒ こちら

タイトルが目新しく、かつ、内容が連想できそうもないタイトルなので、最初、購入を控えていたのであるが、最近、他にこれという書籍が出版されないので、止む無く購入した。

読んだ感想を書けば、最初の書き出しは、全く面白くない。大体、AIとは、Artificial Intelligenceの略で、人工知能のことである。AIはよくマスコミ等で聴いているが、現代がAI時代だとは思わない。最先端の研究の1分野として存在しているに過ぎない。

書籍のタイトルは兎も角、噛み砕いていえば、「現代の地政学」について宮家氏が経験をもとに語っているに過ぎない。

同氏は、外務省に勤務し、中国大使館公使、イラク大使館公使などを経験しているので、諸外国の政情に明るい。表題の書籍は最初の面白くないところを飛ばして、中途から読み始めると、外務省時代の経験に基づいて、諸外国の実情を説明しており、面白い。ただ、内容にあまり深さが無く、物足りないところはある。

例えば、英国が昨年、EUから離脱することを国民投票で決定したが、それに関して、宮家氏は、英国は18世紀か19世紀は世界を制覇した大英帝国であったが、今回EUから離脱することは、帝国の「おわりのはじまり」になると語っている。

しかし、その理由が一切書いていない。何故、EUからの離脱が帝国の終わりの始まりになるのか?少なくとも政治、経済あるいは地政学の面から分析し、理由を述べて欲しいと感じた。離脱すると、関税がかかるし、貨幣も異なるし、マイナスが多い点は私たちもわかる。そんな一般人が分かっていることをわざわざ書いているのと違うだろう。宮家氏には是非とも自説を展開し、説明して欲しかった。

分析が足らないのは、多くの箇所においてみられ、そのため、内容的に深みを感じない書籍と思える。軽く読む書籍である。

私は、上記書籍の半分少しを読んだが、後半に期待している。後半も前半と同じようであれば、2日ほどで飛ばし飛ばし読み終えてしまいたい。

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